【2025年最新版】汲み取り式トイレから水洗トイレへリフォームする費用相場

汲み取り式トイレは、「ぼっとん便所」と呼ばれているトイレです。
洋式の水洗トイレが主流となっている現在、公共施設などで見かけることはほとんどなくなりました。
しかし、古民家などの住居においてはまだ汲み取り式のままになっているところもあるのです。
最近は、汲み取り作業が面倒なことやニオイが気になることなどを理由に水洗トイレへの改装を検討するケースも増えています。
今回は、リフォームの方法やメリット・デメリットなどをご紹介します。
目 次
- 汲み取り式トイレとは?
- 汲み取り式トイレの仕組み
- 汲み取り式から水栓トイレにリフォームするメリット・デメリット
- 【メリット】
- ■衛生環境が劇的に向上する
- ■安全性が高まる
- ■面倒な汲み取り作業が不要になる
- 【デメリット】
- ■リフォーム費用が高額になる
- ■(簡易水洗の場合)汲み取り頻度が上がる
- ■(簡易水洗の場合)ニオイを完全に防げない
- 水洗式のトイレにリフォーム!3つのパターンとは?
- 1. 簡易水洗トイレ
- 2. 下水道に直結している水洗トイレ
- 3. 浄化槽が設置されている水洗トイレ
- 水洗式のトイレにリフォーム!費用相場・工事の流れは?
- 1. 簡易水洗トイレ
- 2. 下水道直結型の水洗トイレ
- 3. 浄化槽設置型の水洗トイレ
- リフォーム費用を賢く抑える3つのポイント
- 1. 補助金・助成金制度を最大限に活用する
- 2. 複数の業者から相見積もりを取る
- 3. 便器のグレードや内装工事の範囲を見直す
- リフォームで後悔しないための注意点
- 1. 工事期間中のトイレはどうする?
- 2. 見落としがちな「将来の維持費」
- 3. 下水道の「受益者負担金」とは?
- 水洗式のトイレにリフォーム!どんな業者に頼めばよい?
- まとめ
汲み取り式トイレとは?
汲み取り式トイレは、便器の下に設けられた便槽(べんそう)に排泄物を直接溜める仕組みのトイレで、洗浄に水を使用しないのが特徴です。
1960年代頃までは、汲み取り式トイレが日本の家屋では主流でした。
そのため、築50年以上の家屋の中には、今でも汲み取り式のままになっているところもあります。
古民家をカフェや宿泊施設として再利用する際には、利用者の快適性を考慮し、水洗トイレへリフォームされることが大半です。
汲み取り式トイレの仕組み
汲み取り式トイレは、排泄物を溜める「便槽タンク」と、ニオイを外部に排出するための「臭突(しゅうとつ)・換気ファン」で構成されています。
便槽タンクに溜まった排泄物は、定期的にバキュームカーで汲み取ってもらう必要があります。
この汲み取り作業を怠ると、悪臭の原因になったり、災害時に汚物が溢れ出したりする危険性があるため、適切な管理が不可欠です。
臭突や換気ファンは、キッチンにある換気扇と同様の役割を担い、トイレ内の不快なニオイを外へ逃がします。
これらが設置されていない、あるいは故障している場合、トイレ空間にニオイがこもりやすくなります。
水洗トイレのような「詰まり」の心配はありませんが、定期的な汲み取りの手間と費用、そして特有のニオイがデメリットと言えるでしょう。
また、和式タイプの場合は、小さなお子様が便槽に誤って落下する危険性も指摘されています。
汲み取り式から水栓トイレにリフォームするメリット・デメリット
汲み取り式から水洗トイレへのリフォームを検討する理由は様々です。
ここでは、リフォームした場合のメリットとデメリットを具体的に解説します。
【メリット】
■衛生環境が劇的に向上する
汲み取り式トイレよりも水洗トイレの方が汚物処理を排水でできるので、衛生面の不安を軽減できます。
ニオイも従来の汲み取り式トイレより気になりにくくなるため、それもメリットの一つとして挙げられます。
■安全性が高まる
水洗トイレにリフォームすれば、便槽に落下するリスクがなくなります。
特に小さなお子様やご高齢の方がいるご家庭にとって、安全性の向上は大きなメリットです。
汲み取り式トイレに不慣れな来客が多い場合も、安心して使ってもらえるようになります。
■面倒な汲み取り作業が不要になる
下水道直結型や浄化槽設置型の水洗トイレにすれば、定期的なバキュームカーによる汲み取り作業が不要になります。
業者への依頼の手間や費用から解放される点は、長期的に見て大きなメリットです。
【デメリット】
■リフォーム費用が高額になる
汲み取り式から水洗トイレへのリフォームは、単なる便器交換とは異なり、
給排水管工事や、場合によっては浄化槽の設置工事も必要になるため、費用が高額になる傾向があります。
■(簡易水洗の場合)汲み取り頻度が上がる
簡易水洗トイレにリフォームした場合、汲み取り作業は引き続き必要です。
洗浄水も一緒に便槽へ溜まるため、従来の汲み取り式よりもタンクが満杯になるスピードが速くなります。
汲み取り回数が増え、結果的に維持費が上がってしまう可能性がある点はデメリットです。
■(簡易水洗の場合)ニオイを完全に防げない
簡易水洗トイレは、汲み取り式に比べてニオイは軽減されますが、便槽がある限り完全に無くすことは困難です。
ニオイ問題を根本的に解決したい場合は、下水道直結型か浄化槽設置型の水洗トイレへのリフォームをおすすめします。
水洗式のトイレにリフォーム!3つのパターンとは?
汲み取り式から水洗トイレへリフォームするには、主に3つの方法があります。
お住まいの地域のインフラ状況や予算によって最適な方法は異なります。
1. 簡易水洗トイレ
見た目は一般的な洋式トイレと似ていますが、排泄物を便槽に溜めるという基本的な構造は汲み取り式と同じです。
少量の水で排泄物を洗い流す仕組みで、下水道が整備されていない地域で、かつ費用を抑えたい場合に適しています。
2. 下水道に直結している水洗トイレ
お住まいの地域に公共下水道が整備されている場合に選択できる方法です。
排泄物を汚水管を通して直接下水処理場へ流すため、便槽や浄化槽の設置が不要です。
汲み取りの手間やニオイから完全に解放される、最も衛生的で快適な方法と言えます。
3. 浄化槽が設置されている水洗トイレ
下水道が整備されていない地域で、本格的な水洗トイレを実現する方法です。
敷地内に「合併処理浄化槽」を設置し、トイレの汚水だけでなく台所や風呂などの生活排水もまとめて浄化してから、側溝や河川に放流します。
近年では、環境負荷の少ないこの合併処理浄化槽の設置が一般的となっており、自治体によっては設置費用に対する補助金制度が設けられています。
水洗式のトイレにリフォーム!費用相場・工事の流れは?
リフォームにかかる費用や期間は、選択するパターンによって大きく異なります。
ここでは、2025年現在の最新の費用相場と工事の一般的な流れをご紹介します。
※費用はあくまで目安であり、建物の状況や選ぶ便器のグレードによって変動します。
1. 簡易水洗トイレ
費用相場: 約40万~70万円
工事期間: 約3日~1週間
主な工事内容: 既存トイレの解体・撤去、便器の設置、給排水管工事、電気工事、内装工事など。
既存の便槽を流用できる場合は費用を抑えられますが、便槽の交換が必要な場合は費用と工期が追加でかかります。
2. 下水道直結型の水洗トイレ
費用相場: 約70万~120万円
工事期間: 約1週間~10日
主な工事内容: 既存トイレ・便槽の解体・撤去処分、宅内の配管工事、公共下水道本管への接続工事、便器の設置、内装工事など。
前面道路から住宅までの距離が長い場合、配管工事費が高くなる傾向があります。
3. 浄化槽設置型の水洗トイレ
費用相場: 約120万~200万円
工事期間: 約10日~2週間
主な工事内容: 浄化槽を埋設するための掘削工事、浄化槽の設置、宅内の配管工事、便器の設置、内装工事、既存便槽の撤去処分など。
浄化槽本体の価格や設置場所の地盤の状態によって費用が大きく変動します。
リフォーム費用を賢く抑える3つのポイント
高額になりがちなリフォーム費用ですが、いくつかのポイントを押さえることで負担を軽減できます。
1. 補助金・助成金制度を最大限に活用する
お住まいの自治体によっては、汲み取り式トイレから水洗トイレへのリフォーム(特に浄化槽設置や下水道接続)に対して、補助金や助成金制度を設けている場合があります。
制度の有無や申請条件、金額は自治体によって異なるため、まずは市役所や町村役場の担当窓口(下水道課や環境課など)に問い合わせてみましょう。
申請には工事着工前の手続きが必要なケースがほとんどなので、計画の早い段階で確認することが重要です。
2. 複数の業者から相見積もりを取る
リフォーム費用は、業者によって大きく異なることがあります。
必ず2〜3社以上の業者から詳細な見積もりを取り、工事内容と金額を比較検討しましょう。
単に価格が安いだけでなく、工事内容の内訳が明確か、担当者の対応は誠実かといった点も総合的に判断することが、信頼できる業者を選ぶコツです。
3. 便器のグレードや内装工事の範囲を見直す
最新の高機能トイレは魅力的ですが、その分価格も高くなります。
本当に必要な機能を見極め、予算に合ったグレードの便器を選ぶことで費用を抑えられます。
また、壁紙や床材の張り替えといった内装工事も、リフォーム範囲を限定する、あるいはDIYで行うなどの工夫でコストダウンが可能です。
リフォームで後悔しないための注意点
リフォームを成功させるためには、事前に知っておくべき注意点があります。
1. 工事期間中のトイレはどうする?
リフォーム工事中は、数日間トイレが使用できなくなります。
その間の対策として、仮設トイレの設置を業者に依頼するか、近隣の公共施設やコンビニのトイレを利用することになります。
小さなお子様やご高齢の方がいるご家庭では、仮設トイレの設置を前提に業者と相談しておくことをおすすめします。
2. 見落としがちな「将来の維持費」
リフォーム後のランニングコストも考慮しておきましょう。
下水道直結型の場合は下水道使用料が、浄化槽設置型の場合は、浄化槽の定期的な保守点検・清掃費用やブロワー(送風機)の電気代が毎年かかります。
初期費用だけでなく、長期的な視点でどの方法が自分たちのライフスタイルに合っているかを検討することが大切です。
3. 下水道の「受益者負担金」とは?
下水道が整備された区域では、工事費の一部をその土地の所有者に負担してもらう「受益者負担金(分担金)」という制度があります。
これはリフォーム費用とは別に、一度だけ自治体に納める必要があるお金です。
該当する地域かどうか、事前に自治体へ確認しておくと安心です。
水洗式のトイレにリフォーム!どんな業者に頼めばよい?
トイレのリフォーム、特に給排水管や下水道接続、浄化槽設置が関わる工事は、専門的な知識と技術が必要です。
信頼できる業者を選ぶために、以下のポイントを確認しましょう。
・自治体の指定給水装置工事事業者(水道局指定工事店)であること
・浄化槽設置の場合は、都道府県の登録・届出業者であること
・過去の施工実績が豊富であること
・工事後のアフターサービスや保証制度が充実していること
・見積書の内訳が詳細で、不明な点について丁寧に説明してくれること
・不必要な追加工事を勧めてこないこと
これらの点を事前にしっかりと確認し、安心して任せられる業者に依頼しましょう。
まとめ
かつて主流だった汲み取り式トイレは、衛生面や利便性の観点から、現在では水洗トイレへリフォームされることが多くなりました。
リフォームには「簡易水洗」「下水道直結」「浄化槽設置」の3つの方法があり、それぞれにメリット・デメリット、そして費用が異なります。
リフォームを成功させるためには、ご自宅の状況や予算に合った最適な方法を選ぶことが大切です。
また、補助金制度の活用や相見積もりによって費用を抑える工夫も可能です。
工事期間中の生活や将来の維持費といった点も考慮しながら、信頼できる業者に相談し、快適で衛生的なトイレ空間を実現しましょう。
▼トイレについてご相談したい方はコチラ▼
※来店予約は24時間受付しております。
※営業時間は9:00~18:00です。
▼ミヤケンリフォーム館▼
〒371-0013 群馬県前橋市西片貝町4丁目22−3