【2025年最新版】給湯器が凍結したときの対処法と凍結防止対策

「寒い日にお湯を使おうと思ったら、全く出てこない…」冬の朝にそんな経験をすると、本当に困ってしまいますよね。
冬場は給湯器の配管が凍結しやすく、お湯が使えなくなるだけでなく、最悪の場合、配管が破裂して故障につながる可能性もあります。
実は、凍結が原因で故障した場合、メーカーの保証期間内であっても有償修理となるケースがほとんどです。
予期せぬ出費を避けるためにも、凍結の原因を正しく理解し、万が一凍結してしまった場合の対処法と、効果的な予防策を知っておくことが非常に重要です。
この記事では、給湯器の凍結について、原因から対処法、そして今日からできる最新の凍結防止対策まで、詳しく解説していきます。
目 次
- 1. 給湯器が凍結する主な原因
- 気温が低いとき
- 長時間、水を使用していないとき
- 2. 給湯器で凍結しやすい部分
- 3. 給湯器が凍結したときの正しい対処法と注意点
- 凍結したときの対処法
- やってはいけないNG対応
- 4. 凍結?それとも故障?簡単な見分け方のポイント
- ①水は出るか?
- ②他の蛇口からはお湯が出るか?
- ③給湯器のリモコンを確認する
- 5. 給湯器の凍結防止対策
- 給湯器本体の「自動凍結防止機能」
- ヒーター式
- 自動ポンプ運転
- 給湯栓から少量の水を流し続ける
- 配管の「水抜き」を行う
- 6. 凍結リスクを減らす!設置場所別の効果的な対策
- 配管がむき出しになっている
- 北向きや風の強い場所に設置されている
- 10年以上同じ給湯器を使っている
- まとめ
1. 給湯器が凍結する主な原因
給湯器は、内部の配管に水を通してバーナーで温め、お湯を作って供給しています。
そのため、蛇口を閉めていても、給湯器の内部や接続されている配管には常に水が残っている状態です。
この残った水が、外気の低下によって凍ってしまうことが凍結の直接的な原因です。
「凍結は雪国だけの問題」と思われがちですが、それは大きな間違いです。
近年では気候変動の影響で、これまで滅多に氷点下にならなかった暖かい地域でも、突然の寒波によって給湯器が凍結する事例が急増しています。
寒冷地では、凍結対策が施された「寒冷地仕様」の給湯器が標準的に設置されています。
しかし、比較的温暖な地域では標準仕様の給湯器が多いため、想定外の寒さに対応できず、凍結トラブルが起こりやすいのです。
気温が低いとき
一般的に、外気温が0℃を下回ると凍結の危険性が始まります。
特に、マイナス4℃以下になると、凍結のリスクが非常に高まると覚えておきましょう。
また、給湯器が家の北側や日陰、風が直接吹き付けるような場所に設置されている場合は、気温以上に配管が冷やされやすいため、プラスの気温でも凍結してしまうことがあります。
長時間、水を使用していないとき
水は、たとえ0℃以下であっても、流れがあれば凍りにくいという性質があります。
給湯器の配管内の水も同様で、ご家族が就寝している夜間や、旅行などで家を長時間空ける際など、給湯器を全く使わない時間が続くと、水が停滞して凍結しやすくなります。
2. 給湯器で凍結しやすい部分
給湯器関連で最も凍結しやすいのは、水道管から給湯器本体に水を供給する「給水配管」です。
ここは常に冷たい水が通っているため、真っ先に凍結の標的になります。
その他、給湯器本体から各蛇口へお湯を送る「給湯配管」や、お風呂の「追い焚き配管」も凍結する可能性があります。
特に注意したいのが、給湯器本体と各配管の接続部分です。
これらの部分は、配管を保護する保温材が十分に巻かれていなかったり、経年劣化で剥がれてしまっていたりすることが多く、外気に直接さらされて凍結しやすいウィークポイントとなっています。
3. 給湯器が凍結したときの正しい対処法と注意点
お湯が出ないことに気づいたら、慌てず冷静に対処することが大切です。
凍結したときの対処法
給湯器が凍結した場合、最も安全で確実な方法は「自然解凍」を待つことです。
日中の気温が上昇すれば、配管内の氷は自然に溶けていきます。
給湯器や配管に余計な負荷をかけずに済む、一番のおすすめです。
「どうしてもすぐにお湯を使いたい!」という場合は、応急処置として以下の方法を試してみてください。
1.キッチンの給湯栓(お湯側の蛇口)を少しだけ開けておく。
2.凍結していると思われる給水配管の周りに、使い古しのタオルなどを巻き付ける。
3.人肌程度(30℃~40℃)のぬるま湯を、タオルにゆっくりとかける。
この作業を繰り返すことで、徐々に氷が溶けていきます。
お湯が出るようになったら、給湯栓を閉め、配管周りの水分をしっかりと拭き取ってください。
やってはいけないNG対応
早く溶かしたいからといって、配管に直接熱湯をかけるのは絶対にやめてください。
凍結した金属製の配管に熱湯をかけると、急激な温度変化によって配管が収縮・膨張し、破裂する危険性が非常に高いです。
また、ドライヤーで温めるのも避けましょう。
一部分だけを急激に温めることになり、やはり配管破損のリスクがあります。
作業の際は、給湯器の電源コードやガス栓に水がかからないよう、十分に注意してください。
4. 凍結?それとも故障?簡単な見分け方のポイント
「お湯が出ない!」という時、それが凍結による一時的なものなのか、給湯器本体の故障なのか、気になりますよね。
簡単なチェックポイントをご紹介します。
①水は出るか?
お湯側の蛇口をひねっても何も出ない場合、まず水側の蛇口をひねってみましょう。
水は勢いよく出るのにお湯だけが出ない場合は、給湯器本体やその周辺の凍結・故障が考えられます。
水もお湯もチョロチョロとしか出ない、または全く出ない場合は、家全体の水道管が凍結している可能性があります。
②他の蛇口からはお湯が出るか?
キッチンでお湯が出なくても、洗面所やお風呂ではお湯が出るケースがあります。
この場合、給湯器は正常に作動しており、キッチンにつながる配管の一部だけが凍結している可能性が高いです。
③給湯器のリモコンを確認する
給湯器に何らかの不具合が発生している場合、リモコンにエラーコード(数字やアルファベット)が表示されることがあります。
エラーコードが表示されていたら、取扱説明書を確認するか、メーカーやガス会社に問い合わせましょう。
エラー表示がなく、外気温が氷点下の場合は、凍結の可能性が高いと判断できます。
これらの点を確認し、凍結ではなく故障が疑われる場合は、無理に自分で対処しようとせず、速やかに専門業者に連絡しましょう。
5. 給湯器の凍結防止対策
凍結は、事前の対策で十分に防ぐことができます。
ご家庭で簡単にできる予防策を3つご紹介します。
給湯器本体の「自動凍結防止機能」
現在の多くのガス給湯器には、凍結を予防するための機能が標準で搭載されています。
ヒーター式
外気温が一定以下になると、給湯器内部のヒーターが自動で作動し、配管を温めて凍結を防ぎます。
自動ポンプ運転
追い焚き機能付きの給湯器の場合、外気温が下がると浴槽の残り湯を自動で循環させ、配管の凍結を防ぎます。
これらの機能は、給湯器の電源プラグがコンセントに差し込まれていないと作動しません。
冬の間は、節電のつもりでプラグを抜いたり、ブレーカーを落としたりしないようにしましょう。
給湯栓から少量の水を流し続ける
天気予報で「今夜は氷点下になる」と予報されたときに、最も手軽で効果的な方法です。
夜、就寝する前に、キッチンの給湯栓を少しだけ開け、1分間に400ml(鉛筆の芯4mm程度の太さ)ほどの水を「チョロチョロ」と流し続けます。
水が常に流れている状態を作ることで、配管内の水が凍るのを防ぎます。
※お湯を出しっぱなしにする必要はありません。
「水」を流すだけで効果があります。
ガス代の心配もいりません。
配管の「水抜き」を行う
数日間家を留守にするなど、長期間給湯器を使用しない場合に有効な方法です。
給湯器本体や配管内部の水を完全に抜いてしまうことで、凍結を物理的に防ぎます。
水抜きの方法は給湯器の機種によって手順が異なりますので、必ず取扱説明書を確認しながら行ってください。
ご自身での作業が不安な場合は、専門業者に依頼することをおすすめします。
6. 凍結リスクを減らす!設置場所別の効果的な対策
お住まいの給湯器の設置場所によって、凍結のリスクは大きく変わります。
ご自宅の状況に合わせて、プラスアルファの対策を行いましょう。
配管がむき出しになっている
給湯器の給水・給湯配管が、保温材で覆われずにむき出しになっている場合は非常に危険です。
ホームセンターなどで市販されている「保温テープ」や「保温チューブ」を巻き付けるだけで、凍結防止効果が格段にアップします。
DIYでも簡単に行えるので、ぜひお試しください。
北向きや風の強い場所に設置されている
一日中日陰になる北側や、強い風が直接当たる場所に給湯器が設置されていると、配管は表示されている気温以上に冷え込みます。
配管の保温対策を徹底するとともに、状況によっては給湯器の周りに「防風板」を設置することも有効です。
10年以上同じ給湯器を使っている
古い給湯器は、最新機種に比べて凍結防止機能が十分でなかったり、配管を保護する保温材が劣化していたりする場合があります。
設置から10年以上経過している場合は、省エネ性能も高く、凍結にも強い最新の給湯器への交換を検討するのも良い機会かもしれません。
まとめ
給湯器の凍結は、冬の寒い時期に誰にでも起こりうるトラブルです。
しかし、その原因と対策を知っていれば、多くの場合で防ぐことが可能です。
・天気予報をチェックし、氷点下になりそうな夜は水を流しっぱなしにする
・給湯器の電源プラグは抜かない
・配管がむき出しの場合は保温材を巻く
これらの基本的な対策を習慣づけることが大切です。
万が一凍結してしまった場合は、慌てずに「自然解凍」を待ち、熱湯をかけるなどの誤った対処法は絶対に行わないでください。
日頃からご自宅の給湯器の状態に関心を持ち、しっかりと対策を行うことで、冬でも安心して快適にお湯を使いましょう。
もし対処に困ったり、故障が疑われたりした場合は、無理をせず速やかに専門の業者へ相談してください。